手筋を覚えて囲碁の楽しさ倍増計画 | 直感力を鍛える囲碁・実践手筋 #69

 自分の人生の中で長く続けているものと言えば囲碁が真っ先に挙がる。凡人なりに精一杯勉強して棋力は東洋囲碁にて5段でなんとか粘っているレベルである(最近はそこも落ちそうだが)。ただそのレベルに上がってもなお、手筋に関する理解がどうも甘い気がしている。中盤までせっかく互角に渡り合っていたとしても、最後に手筋でころっとやられる時がある。そうなると序盤からの積み重ねはいったいなんだったのか、と悔しい気分になる。が、裏を返せば、自分にだって同じチャンスがあるかもしれないのだ。本書を手に取ったのは、ひとつでも多く手筋に関する知識を多く身につけて、相手をころっと倒せる場面を増やすことで勝率を上げようという非常に浅はかな狙いがあった。

Django
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本記事のサマリー:

  • 実践形式で紹介してくれるのがとてもいい
  • 手筋って、バッチリ決まると気持ちいいよね
  • 守りの手筋が自分にとってとても有効

読んだ本

  • タイトル:直観力を鍛える囲碁・実践手筋
  • 著者:山田規三生

感想あれこれ

実戦形式で解説してくれるありがたさ

 詰碁集も含めてだがこの手の問題集は、碁盤の隅を使って問題を出題&解説してくれていることが多い。シンプルで見やすいし、内容自体はスッと入ってくることが多いので、それはそれでとても助かっている。しかし一方で、それだけだと盤面全体でのイメージが湧かず、実戦で「いつ使うんや」となるケースが多いのだ。本書は前半で碁盤の一部を切り取って解説してくれているが、後半は19路盤全体を使った問題を提供してくれている。これが自分にとっては非常にありがたかった。盤全体で見ることで「手筋はどこにでも現れる」ということを改めて実感するとともに、「ここには手筋が潜んでいそうだ」という嗅覚を鍛えさせてくれる内容になっている。

決まると気持ちいい手筋

 囲碁で出てくる手筋を覚えると何がいいかって、手筋がバッチリと決まるとスカッとして気持ちいいのだ。極論、その対局にもし負けたとしても、手筋を決めたことによる快感のほうが勝っているケースもあるくらいだ。ハイキューでいうと、白鳥沢高校の天堂覚がドシャットの快感に目覚めてしまって半ば中毒になりかけているのと同じくらいなのだ。こうして手筋を覚えていくと、覚えたてのものはすぐにでも実戦で使ってみたくなる。ただ布石や定石と違って難しいのは、手筋はいつ出てくるかわからないということだ。布石や定石は、かなり序盤に出てくることもあって、割と自分の意思でその形に持っていけることも多いのだ。だが手筋を使う場面というのは、序盤から終盤に至るまで息を潜めているこことが多い。だからこそいつでも気付けるように、手筋はより一層力を入れて勉強しなければいけない分野なのだろう。(「いや、布石も定石も同じくらい勉強しろよ」という免許の問題みたいなツッコミはやめていただきたい)

身につけておいて良かった手筋は…

 手筋といっても攻撃や守備、陣取りに使えるものと色々ある。だが正直覚えて良かったと思えるのは、相手の石を取れるような攻撃の手筋ではなくて、守りの手筋である。もっと言うと、手筋によって連絡の手段が広がったことが大きい。自分はとにかく相手の弱い石を追っかけて攻める過程で、自分の弱い石を置き去りにしてしまうケースが多い(そしてそれを最終的にとっちめられて敗北するケースが多い)。手筋の中で特に連絡の術を身につけることによって、無駄な手入れをせずに弱い石を補強することができる。さらに連絡の手筋の凄いところは、一見危なそうでもギリギリのところでちゃんと繋がっているところである。このなんともいえない絶妙感がたまらないのだ。あとは、手筋を使って連絡できたことで油断してしまい、終盤相手の石が周りに集まっていることに気が付かず分断されないように気をつけることくらいだろうか(これもあるあるなのだ)。

終わりに

 布石や定石を身につけるのはなかなか大変なのだが、手筋に関してはその効果と、使えた時の喜びを知っているからインプットがあまり苦ではない。手筋を決めてそれまで調子の良かった相手の手が止まり、苦虫を噛み潰したような顔をこちらに見せるその瞬間が増えることをモチベーションに、自分はこれからも新しい手筋をインプットし続けるのである。性格が悪いって?勝負の世界で甘えたこと言ってんじゃねぇぜ。


それでは、また。

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