学生→社会人へチェンジしてからというもの、YouTubeで見るコンテンツが変わってきた。自分は学生時代の頃、YouTubeといえばゲームの実況か、囲碁の対局か、クイズ系の動画を見るためだけに使っていた。ところが社会人になると書籍の解説や、筋トレ、ビジネスピッチのコンテンツへとシフトするようになった。そして、同じく社会人になって見始めたのが料理系のコンテンツである。もともとは大蛇丸のものまねをしながら料理をする某YouTuberから見始めたのだが、チャンネルを練り歩いているうちにリュウジ氏のチャンネルにたどり着いたのである。この世にないレシピを自身で考案して、料理の要点を抑えながら楽しくわかりやすく解説してくれる。生まれるレシピの分動画があがってくるので、一度見始めたら際限がないのである。ついでに自分の料理スキルも上がっているという錯覚に陥るし、いつの間にかリュウジ氏に絶対の信頼を置くようになっている。なんならレシピを確かめる前に「あのリュウジ氏が言っているのだからうまいに決まっている」という先入観を持つようになったほどだ。
自分は料理を食べるのも好きだし、最近では料理を作るのも好きなのでリュウジ氏のレシピをできるだけトレースしたいのだが、残念ながら現実はそんなに時間がない。そんな自分のようなもどかしい思いをしている人の味方になってくれるのが本書だ。世に出回っているおしゃれな料理本ももちろん素晴らしいのだが、正直、自分はこういう男飯系のコンテンツを待っていた!

この記事のサマリー:
- 料理の時短はどう考えても正義…
- 何気ないけど、計量スプーンの使い方って大事
- リュウジ氏のレシピは、どれも少し味が濃いめ
読んだ本
- タイトル:虚無レシピ
- 著者:料理研究家 リュウジ
- 出版社:サンクチュアリ出版
感想あれこれ
本書のコンテンツの魅力はやっぱり…
本書に登場するレシピに言えることだが(というかそういう趣旨で作られているが)、最大の魅力はやっぱりすべてのレシピが数分で作ることができることではないだろうか。というのも、自分は社会人になってから、自炊を毎日きっちりやりきるというのは本当に大変だとひしひしと感じている。そもそも自分が一人暮らしをし始めたのは大学に進学してからである。大学デビュー&一人暮らしデビューだと思って、最初の方こそいきり散らかして色々と作っていた。しかし授業やバイト、試験勉強などで徐々に忙しくなるにつれて、料理も徐々に面倒になっていった。その結果、自ずと日々の料理の内容は虚無レシピへと収束していった。その時に課題となったのが、虚無レシピのレパートリーである。自分の中で回していた虚無レシピといえば、卵を使うか、ソーセージなどの加工食品を使うか、肉を焼いて乗せるかの数択だった。男飯は基本的に美味しいと感じるのだが、少ないレシピだと流石に飽きてくる(しかし自分の中で新しいアイデアがない)。そんな経緯もあり、自分の中で虚無レシピというのは、我慢しながらも延々と似たようなメニューを転がし続けるものだと思っていた。そんな中で本書を読んで驚いたのは、すべてのレシピが時短であるのに加えて、そのレパートリーの多さである(なんと131品もあるではないか)。今まで自分がいかに井戸の中にいて、「虚無レシピ」に対して狭い視野で見ていたことか。それがあらわになった瞬間でもあった。
本書の中で一番共感したことは…
「軽量スプーンは、サラサラしたものを先に量れ」。冒頭に基礎の基礎としてライトに書かれている内容だが、正直この本の中で一番「それそれ!」となった内容である。自分が計量を必要とするレベルでしっかりと料理を作るようになったのは、自分が結婚してからのことだ。計量スプーンをまともに使うようにはなったものの、調味料の順序をあまり考えずに入れていたのだ。自宅には当然計量スプーンもあるわけではない。そのため、計量スプーンを液体調味料に使ったあとに個体調味料に使うことがしばしばあった。液体にまみれた計量スプーンを、他の砂糖や塩の器にそのまま突っ込むわけにもいかないので、スプーンを逐一洗っては拭いて、乾かしてを繰り返す羽目になっていた。小さい作業ではあるのだが、「料理ってめんどいな…」という極論につながるレベルでモヤモヤが積み重なってくる。それを解消せんと、本書では基本作業として、丁寧に冒頭で解説してくれているのだ。基礎って本当に大事だな…
リュウジ氏のレシピを作ってみると…
まだ実際に本書のレシピを作れたわけではないが、我が家でもリュウジ氏の動画上のレシピをもとに、(夫婦共々)いくつか作らせていただいたことがある。率直に、とても美味しいのだ。と同時に、全体的に味付けが濃いなとも感じた。元々自分は濃い味が好きだったのでさほど違和感はなかったのだが、どうやら妻にとっては少々驚くレベルで味が濃かったようだ。なんでだろう、となんとなく思っていたのだが、リュウジ氏はそもそもお酒が大好きなのだ。そう思ってレシピの数々を眺めてみると、どれもお酒を片手につまみながら食べてみたいものばかりである。自分もお酒は大好きなので虚無で作れる×お酒に合うは大歓迎である。だが、これからリュウジ氏のレシピに挑戦してみようと考えている人は、認識しておくべき内容かもしれない。
終わりに
個人的に本書は料理をすでにやっていて、でも日常的にしっかりと作る気力がわかない人のための本という認識である。しかし時短&料理の難易度低という意味では、これから料理を始めてみたいがハードルが高いと感じている人にぴったりなのではないかと思う。最近では映えを気にしてさらに料理のハードルが高くなったと感じている人たちに、本書が背中を押してくれるだろう。
それでは、また。
